暑熱馴化と夏場の練習の留意点
ブログの更新を徐々に減らして行くつもりだったけど、一応これだけは。
先週からの梅雨明けで、一気に最高気温が35℃近くになる日々。
普段走っている朝方でも既に外気温は30℃近くあり、直射日光を加えると体感気温はそれ以上に感じます。
ブログやtwitterを読んでいると、練習で脱水症状や熱中症気味になっているんじゃないか?という方が多く見受けられます。
特に気温が急に上がったこのタイミングは体の暑熱馴化も十分ではなく、今まで走れてた距離なのに…ということも起こり得ます。
一応注意喚起も含めて簡単に書いておきます。
暑熱馴化をRunnetの用語辞典から引用すると、
暑さに対して、日にちを追うごとに身体が適応していくこと。具体的には、運動中の心拍数、体温、汗中塩(塩化ナトリウム)が減少し、逆に汗腺の発汗能力が高まって、汗の量が増加する。また代謝量、乳酸値も暑熱馴化によって減少し、筋グリコーゲンの利用量に影響を及ぼす。これにより熱中症などの熱障害のリスク、暑さによるパフォーマンスの低下を抑えることができる。初夏の頃など、急に暑くなる時期に熱中症にかかる人が多く出るのは、この暑熱馴化がまだできていないためである。1週間~10日ほどで身体はほとんど馴化されると言われている。
平たく言うと、体が暑さに対する体温調整機能を最適化することです。
勘違いしやすいのは、暑熱馴化が進むことで別に暑さに強くなる訳じゃなく、暑くてもパフォーマンスの減り幅を抑えることが出来るだけです。
運動中の体温は場合によって40℃近くまで上昇すると言われており、深部体温が40℃を超えると一般的に熱中症を発症すると言われています。故に発汗などの体温調節を行うことで、人は体温を下げようとします。
ただ、その調節機能が外気温に適応していなかったり、水分補給が十分で無かったり(一般的に人が吸収できる水分量は1分あたり3 mlのみ!!)で、夏場は冬場よりも脱水や熱中症のリスクが格段に上がります。
水分を摂っているつもりでも体に吸収されないんじゃ有効に使われないし、その結果体温が上がってしまえば熱中症になる。熱中症は不可逆な反応を引き起こすので、重篤な健康被害になることもあるので注意が必要です。
暑熱馴化の方法としては、60分程度の低強度の運動を週に数回行うことが推奨されています。
jogに限らず、早歩き程度でも十分効果はあるようです。
上記のリンク先には体温がパフォーマンスに及ぼす影響やその対策なども書いてあるので、ご興味のある方は是非ご一読下さい。
一般論的な話に帰結してしまいますが、
・直射日光を防いで余計な体温上昇を招かない(日の暮れている時間帯や装備の工夫)
・外気温も出来るだけ低い時間帯を選ぶ
・体が暑さに慣れていない場合は、慣れるまで強度と時間を落とす
・給水/水被りはこまめに行う
・運動の負荷は心拍数などで管理するとより安全
・万が一の場合に連絡が取れる手段や、給水するための小銭を携帯する
こんなところですかね。
脱水や熱中症は名前以上に恐ろしいものですので、どうぞご安全に!!