北九州市民のランニング備忘録

仙台から始まり東京を経由して九州に至った大学教員がランニングについて書くブログ。目指すはグランドスラム! (残り:サブスリー)

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もしあなたがウルトラマラソンに挑戦するなら(100 km編)

去年の60 kmの総括記事もこのタイトルで書いたので、それを踏襲して。

今回初めて100 kmを走ってサブ10を達成した訳ですが、これから100 kmに初めて挑戦する!、タイムを縮めたい!って人向けに、個人的に効果的だった物事をまとめたいと思います。来年忘れ物を取りに行く人も結構多そうですし(笑)

 

・走力

ベースとなる走力に関して。

サブ10狙いであれば、フルでサブ3.5辺りから圏内で、サブ3:15なら成功率高し。って感じじゃ無いでしょうか。但し、極端な気候(高温・風雨)の場合は差し引く必要有り。

完走狙いならサブ4の走力があれば十分足りると思います。

 

・練習

柴又用の練習としては、個人でのロング走が2回(40 km, 45 km)が最長です。100 km完走のためのセオリー的に言われている月間走行距離の300 kmには一度も到達せず。せいぜい200 kmちょっとが良いところでした。

その代わりに練習は高負荷+低負荷の練習を中心にしました。

例えば、jogでも序盤に1 kmTTを入れる。

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他には閾値走の後にjogを入れる。

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前述の45 kmのロング走も最初に200 m×10のインターバルを入れています。

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これで体/脚が疲れた状態で走る事にだいぶ慣れた感じはあります。実際100 km終盤でも脚が無くなるってことはありませんでした。

あと重要なのは、楽に走れる最速ペースを見つけておくことです。練習のレースペース走は5'20~30程度でしたが、これ以上抑えると無理にブレーキをかける走りになってしまい、結果的に消耗する感じでした。なので、無理なく走れるペースで。

また、疲れた状態でどのくらいのペースで走ることができるのかを把握できるのも重要で、私の場合、1 kmTTの後のjog 1 kmはおおよそ5'40程度。

今回の終盤のラップとほぼ同じくらいってことで、疲れていてもこの位で走れる!ってベンチマークとして優秀でした。

 

一番効果的だったと思うのは、練習代わりのレースを走ったこと。今回ならステップレースとしてチャレ富士71 kmを走ったことが相当効きました。

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実際のレースでレースシミュ出来る利点として、

・経験の少ないウルトラマラソンの空気感を感じられる(場に慣れる)

・エイドでの補給や給水のイメージを実戦で掴める

・本番よりキツいコースで鍛えられる(場合による)

・ソロでのロング走は難しいけど、レースなら走り切れる(可能性が高い)

・レースで使えるウエアリングをチェックできる

チャレ富士では季節外れの酷暑のお陰で給水事情は柴又よりキツかったので、その点でも(幸か不幸か)だいぶ鍛えられました。あと、平坦な柴又に比べてチャレ富士のアップダウンは鬼だったので、アレに比べれば…と終盤思ったのは事実です。

今回も柴又60 kmをステップにしてサロマへってランナーも結構いらしたようなので(背面のゼッケンに書いてあった)、本番より短い距離のレースをシミュレーション/練習として走るのは是非お勧めしたいと思います。

 

補強運動は腹筋と腸腰筋の強化のためレッグレイズを中心に。

チャレ富士のアップダウンにも、柴又の河川敷の風にも負けませんでした(∩´∀`)∩

 

レースでのシミュレーションを含めて、レースは練習のトレースだと強く感じました。練習で出来たことはレースでも出来ると思って自信をもって良いと思います。

 

・ウエア

これは色々意見があると思いますが、暑いレースでは直射日光に身を晒さないっていうのが、何よりも優先されるべきだと思います。

あとはレースレポの冒頭にも書いたように、如何にして自分の普段通りの走力を発揮できる状況に持ち込むか?ってことを考えてウエア/装備選びをすることですかね。

なので、本番でいきなり投入!じゃなくて、事前にリハーサルしておくことが重要。

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・メンタル

60 km→71 kmと来ての100 kmでしたが、レポの通りリタイア寸前まで追い込まれました(;'∀')

100 kmに臨むための準備は十分してきましたが、それでもレース当日の気候やアクシデントによってはズタズタにやられてしまうことを身をもって理解しました。

これはどうしたらいいか?って解は無いと思いますが、そのストレスの元が対処可能なら対処する、対処できないものなら前向きに捉えるってのが今回の対策でした。

例えば空腹感・疲労感は補給や一休みすれば(ある程度は)解消されるし、残り距離に対する不安は自分のこれまでの経験に置き換えて対処したり(あと何キロで終わり、もうここまで来た etc...)。

個人的に思うのは、メンタルが強い/弱いから…で話を終わらせてしまうのでは無く、どう目標達成/完走まで気持ちを持って行くか?って部分に注力すべきかと。

多くの人は100 kmなんて距離に立ち向かうのは初めてだし、10時間近く動くのも初めてのはず。だからこそ、その不安にどう寄り添って行くかと考えるべきじゃないんですかねー。

 

・補給

胃の不調に悩まされた昨年の柴又60 kmを教訓にして、

・ナトリウムを積極的に摂ってイオンバランスを整える

・給水も極力電解質が含まれるスポーツドリンク

・固形物は食べ過ぎない/食べな過ぎない程度に

これでチャレ富士・柴又とも全く胃腸の不調はありませんでした。おそらく去年は電解質不足で胃腸がやられていたものと思っています。

あとは何だかんだで雑にやったカロリー計算で、これだけ食べればOK!って事前に分かっていたのも良かったのかもしれません。

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・今回の自分自身の走り

概ね練習でやりたいことは出来、ステップレースでのチャレ富士でも存外の快走と、ある程度の可能性でサブ10は出来るんじゃないかという目論見はありました。

しかしながら、レースでは当日の酷暑とアクシデントでメンタル的に追い込まれてリタイア寸前に(;´Д`)

でも、しっかり準備を積めて完走自体は全く不可能じゃない状況だったのが幸いして、何とか立て直すことが出来ました。

そういう意味でもしっかり準備が出来て臨んでいる!という実感は何にも勝るんじゃないかと思います。段取り9割。

あと、100 km通しで走り切るメンタルはありませんでしたが、50 km×2をこなすだけの精神力はあったようです(笑) 自分にとってどちらが楽に感じるか、それによって不安を軽減することは出来るのかなーと思います。

そういう意味でもチャレ富士は綺麗に走っての快走でしたが、今回は泥臭く走って掴み取ったサブ10ということで、ある意味総力戦に勝ったという感じもあります。

あの日あれ以上の走りは出来なかったと思いますし、全力は出し切れました!

 

・最後に

ご存知だと思いますが、"フォレスト・ガンプ"の中でこういうセリフがあります。

"Life is like a box of chocolates. You never know what you're gonna get."

"人生はチョコレートの箱のようなもので、開けてみなければ分からない"

 

ラソンは良く人生に例えられますが、ウルトラマラソンこそより人生と似通っている部分があるんじゃないでしょうか。

何が起きるか分からないこそ、それを含めて楽しむ/乗り越えることが大事で、蓋を開ける前から恐れ、悲観する必要は無いんです。

皆さんが100 kmに挑もう!と決意した瞬間から、その過程、そしてレースと素晴らしい体験をされることを祈っております!

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以下私信。

去年60 km走る際に口を滑らせて来年は100 km走ります!と言ってしまいましたが、1年間準備すれば意外と何とかなりました(;'∀')

その場に居たみどるさん、古本屋さんにはかけがえのない挑戦への筋道をつけて下さったことに感謝します。

また、一緒に走った皆さん、サポートして下さった皆さん、声援を下さった皆さん、一人ひとりの力を頂いてこその完走でした。自分自身グランドスラムという目標をぶち上げて臨んだレースでしたが、折れずに立ち上がれたのは皆さんのサポートのお陰です。

今回心の底から感謝申し上げたいのは市川パパさんです。練習/調整に関する諸々を御指南頂き、大変役立てることが出来ました。この2走の快走はパパさん無しでは有り得ませんでした。

 

100 kmサブ10を一発クリアしましたので、ウルトラでタイムを求めるのはこれで打ち止めにします!!!

チャレ富士の5 LAKESとかは完走狙いで走ってみたい気持ちはあったりしますが、いずれにせよ走っても違うベクトルで。

ということで、来年はランナーをサポートする側に可能なら回りたいと思います。(埼玉の山の中を走っている可能性もありますが…(笑))